子供の鼻の臭い・口臭の原因と対策。副鼻腔炎かも?病院へ行くべき?

鼻口臭(副鼻腔炎など)対策コラム

子供の鼻口臭…病院?副鼻腔炎?

お子さんの鼻や口から気になる臭いがする時、何が考えられるのでしょうか。

目次

CHAPTER 01 子供の「あれ?なんか臭う?」鼻や口の臭いは何かのサインかもしれません

もしかして、うちの子も?子供の鼻や口の臭いはママパパの心配事

大切なお子さんから、ふと「あれ?なんか臭う?」と感じたことはありませんか?特に、鼻の奥からくるような臭いや、口を開けた時に感じる不快な臭いは、多くのママやパパが密かに抱える心配事の一つではないでしょうか。

「虫歯かな?」「ちゃんと歯磨きしてるはずなのに…」「風邪のせいかな?」と、原因が分からずモヤモヤしたり、「もしかして、どこか悪いのかな?」と不安になったりすることもあるかもしれませんね。子供は自分の不調をうまく言葉で伝えられないことも多いため、親としては余計に心配になってしまうものです。

この章では、そんなお子さんの鼻や口の臭いについて、なぜ気になる臭いが発生するのか、どのような原因が考えられるのかを、皆さんの心に寄り添いながらお話ししていきます。漠然とした不安を少しでも和らげ、お子さんの健康状態を理解するための一助となれば幸いです。

子供の鼻の臭い・口臭はどこから?主な原因について知っておきましょう

お子さんの鼻や口から気になる臭いがする時、一体何が原因になっているのでしょうか。いくつかの可能性が考えられますが、大きく分けて「口の中」と「鼻や喉」の二つの部位が関わっていることが多いです。

  • 口の中が原因の場合:
    • 口腔内の衛生状態: 食べカスが残っていたり、歯磨きが不十分だったりすると、細菌が繁殖しやすくなり、臭いの原因物質を作り出すことがあります。特に、乳歯と永久歯が混在する時期は、歯並びが複雑になり、磨き残しが増えやすい傾向にあります。
    • 舌苔(ぜったい): 舌の表面に付着する白い苔のようなもので、これも口臭の一因となることがあります。
    • 虫歯や歯肉炎: 進行した虫歯や歯茎の炎症も、不快な臭いの原因になることがあります。
    • お口の乾燥: 唾液には口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑える働きがあります。口呼吸や水分不足などで唾液の分泌が減ると、お口の中が乾燥し、臭いが発生しやすくなることがあります。
  • 鼻や喉が原因の場合:
    • 鼻汁や鼻詰まり: 鼻水が喉の奥に流れ込んだり、鼻の中に停滞したりすることで、細菌が繁殖し、独特な臭いを発生させることがあります。特に、色が付いた鼻水が出ている場合は、注意が必要です。
    • 炎症: 鼻や喉の粘膜で炎症が起きている場合も、臭いの原因となることがあります。
    • 食べ物の残りカス: ごく稀ですが、鼻の中に異物が入ってしまったり、鼻の奥に食べ物が残ってしまったりすることが、臭いの原因となるケースも報告されています。

これらの原因はあくまで一般的なものであり、お子さんの状況によって異なることがあります。大切なのは、気になる症状を見逃さず、落ち着いて状況を把握することです。

気になる臭いのタイプ別チェックリスト

お子さんの鼻や口から感じる臭いは、その種類によって、何が起きているのかの手がかりになることがあります。いくつかの臭いのタイプを例に、考えられる一般的な可能性を一緒に見ていきましょう。あくまで目安として参考にしてくださいね。

  • 「酸っぱいような臭い」や「生臭い臭い」:
    • 口の中の衛生状態が関連していることがあります。食べ物の残りカスや細菌が原因で発生しやすいタイプの臭いです。
    • 胃腸の不調や、特定の食べ物が原因となる可能性も考えられます。
  • 「ネバネバしたような臭い」や「鼻の奥からくるような嫌な臭い」:
    • 鼻や喉の奥、特に副鼻腔に関わる問題が考えられることがあります。鼻水が喉に流れ込んだり、鼻の中に溜まったりすることで、細菌が繁殖して特有の臭いを放つ場合があります。
    • アレルギー症状や、季節の変わり目の体調変化によって、鼻の粘膜に影響が出ていることも原因の一つかもしれません。
  • 「お口の中が粘つくような臭い」:
    • お口の中の乾燥が原因となっている可能性が考えられます。唾液の分泌が少ないと、細菌が増えやすくなります。
    • 口呼吸が習慣になっている場合も、口の中が乾燥しやすくなります。

これらの臭いのタイプは、あくまで可能性を示唆するものです。一つだけでなく複数の原因が絡み合っていることもありますし、お子さんの体質や生活習慣によっても状況は変わってきます。もし、臭いが気になるだけでなく、お子さんが不快感を訴えたり、熱が出たり、鼻水の色がおかしいなど、他の症状を伴う場合は、迷わず専門家にご相談ください。

CHAPTER 02 子供の鼻の臭い・口臭、もしかして「副鼻腔炎」が関係しているかもしれません

お子さんの鼻や口から、いつもと違う臭いを感じると、親御さんとしては心配になりますよね。その不快な臭いの原因として、多くの場合「副鼻腔炎」が関わっている可能性があります。

ここでは、お子さんの副鼻腔炎がどのような状態なのか、どんなサインに注意すれば良いのか、そしてもし長引くとどうなる可能性があるのかについて、分かりやすくお話ししていきましょう。

子供の副鼻腔炎ってどんな状態?大人とは違うの?

まず、副鼻腔という言葉、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれませんね。副鼻腔とは、鼻の奥にある骨に囲まれた空洞のことで、ここには空気が入っています。健康な状態であれば、副鼻腔で作られた粘液はスムーズに鼻の外へ排出されます。

しかし、風邪やアレルギーなどで鼻の粘膜が腫れたり、ウイルスや細菌が侵入したりすると、この副鼻腔と鼻をつなぐ通路が塞がれてしまうことがあります。すると、中に粘液が溜まりやすくなり、細菌が繁殖して炎症を起こしてしまうんです。これが「副鼻腔炎」と呼ばれる状態です。

お子さんの場合、大人と比べて副鼻腔の構造が未発達であったり、免疫力がまだ十分に強くなかったりするため、風邪をひいた後に副鼻腔炎に繋がりやすい傾向があると言われています。また、子供は自分で症状をうまく伝えられないこともあるので、親御さんが異変に気づいてあげることがとても大切になります。

お子さんの副鼻腔炎、こんなサインに気づいたら要注意

お子さんの鼻の臭いや口臭が気になり始めたら、もしかしたら副鼻腔炎のサインかもしれません。特に、次のような症状が複数見られる場合は、少し注意してあげてください。

  • 鼻水の色や量、粘稠度の変化: 透明でサラサラしていた鼻水が、黄色や緑色に変わり、ドロッとした粘り気のある鼻水になることがあります。
  • 鼻詰まり: 鼻が詰まって苦しそうにしている、鼻で呼吸しづらそうにしている。口呼吸が増えることもあります。
  • 咳: 鼻水が喉の奥に流れ込むことで、痰の絡むような咳が出ることがあります。特に夜間や朝方にひどくなる傾向が見られます。
  • 口臭: 鼻の奥に溜まった鼻汁や膿が原因で、不快な口臭が発生することがあります。お子さんの口臭が気になる場合は、副鼻腔炎の可能性も考えられます。
  • 鼻の奥や目の周りの痛み: 小さなお子さんでは表現が難しいかもしれませんが、おでこや目の奥が重い、痛いと訴えることがあります。
  • 発熱: 急性の副鼻腔炎では、発熱を伴うこともあります。
  • 顔色の変化や機嫌の悪さ: 体調が優れないため、顔色が悪い、元気がない、不機嫌になることもあります。

これらの症状は、お子さんによって出方が異なることもあります。いつもと違う様子が見られたら、親御さんの「あれ?」という感覚を大切にしてくださいね。

副鼻腔炎が長引くとどうなる?放っておくと心配なこと

副鼻腔炎の症状は、数日で治まることもあれば、長引いて慢性化してしまうこともあります。特に小さなお子さんの場合、副鼻腔炎をそのままにしておくと、いくつかの心配な状況に繋がる可能性も考えられます。

  • 中耳炎の併発: 鼻と耳は耳管という管で繋がっているため、副鼻腔炎の炎症が耳に広がり、中耳炎を併発してしまうことがあります。
  • 学習や生活への影響: 鼻詰まりが続くと、集中力が低下したり、夜間の睡眠の質が落ちたりすることがあります。口呼吸が続くことで、お口の中が乾燥しやすくなるなども考えられます。
  • 口臭の慢性化: 副鼻腔炎が原因の口臭が長く続くことで、お子さん自身が気にするようになることもあります。

もちろん、全てのケースで深刻な状況になるわけではありませんが、お子さんの健やかな成長のためには、できるだけ早く適切な対応をしてあげたいものです。症状が続く、または悪化するようであれば、専門家へ相談することを検討してみるのが安心への一歩となるでしょう。

CHAPTER 03 副鼻腔炎の可能性も?こんなサインがあったら要注意!

お子様の鼻の臭いや口臭が気になって、もしかしたら何か病気が隠れているのではと不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。特に、副鼻腔炎(蓄膿症)は、子供でも比較的よく見られる疾患の一つで、鼻の臭いや口臭の原因となることがあります。 ここでは、お子様が副鼻腔炎になっているかもしれない時に見られるサインと、病院を受診すべきかどうかの判断の目安についてお話しします。

子供の副鼻腔炎でよく見られるサインとは

副鼻腔炎は、鼻の周りにある空洞(副鼻腔)に炎症が起き、膿が溜まってしまう状態を指します。風邪をひいた後などに、症状が長引いて副鼻腔炎に移行することも少なくありません。お子様の場合、大人とは少し異なるサインが見られることもあるため、注意深く観察してあげることが大切です。

鼻の症状

  • 色や粘り気のある鼻水:透明なさらさらの鼻水ではなく、黄色や緑色のドロッとした鼻水が続くことがあります。特に、片方の鼻からだけ出る場合もあります。
  • 鼻づまり:常に鼻が詰まっているようで、口呼吸が増えたり、寝ている時にいびきをかいたりすることもあります。
  • 鼻の奥の不快感や重苦しさ:子供自身がはっきりと伝えられないこともありますが、鼻をこする仕草が多い、機嫌が悪いなどのサインとして現れることもあります。
  • 鼻から嫌な臭い:お子様の鼻から、独特の嫌な臭いを感じることがあります。これは、副鼻腔に溜まった膿が原因となっている可能性が考えられます。

口臭との関連

  • 口から嫌な臭い:鼻の奥から喉に膿が流れ落ちる(後鼻漏)ことで、それが口臭の原因となることがあります。口の中を清潔にしていても、なかなか改善しない場合は、鼻の奥に原因がある可能性も視野に入れてみましょう。

その他の症状

  • 長引く咳:特に、寝ている時や朝方に咳が出やすいことがあります。これは後鼻漏が喉を刺激するためと考えられます。
  • 頭痛や顔面痛:副鼻腔の炎症がひどくなると、おでこや目の周り、頬などに痛みを感じることがあります。お子様の場合、「頭が痛い」「顔が重い」と訴えることもあります。
  • 発熱:軽い発熱が続くこともあります。
  • 食欲不振や不機嫌:体調が優れないことから、食欲が落ちたり、遊びたがらずに不機嫌になったりすることもあります。

もし、これらのサインが複数見られたり、長引いたりしている場合は、副鼻腔炎の可能性も考えてみましょう。

病院へ行くべきか迷った時の判断基準

「ただの風邪かな?」「様子を見ても大丈夫かな?」と、病院に行くべきか迷うこともあるかと思います。しかし、お子様の体調で気になることがあれば、早めに専門家のアドバイスを求めることが大切です。

受診を検討するタイミング

  • 症状が10日以上続く場合:風邪の症状は通常1週間程度で改善することが多いですが、鼻水や咳などの症状がそれ以上長引く場合は、副鼻腔炎などに移行している可能性が考えられます。
  • 症状が悪化している場合:一度良くなったように見えたのに、再び鼻水の色が濃くなったり、咳がひどくなったりする場合も受診を検討しましょう。
  • 日常生活に影響が出ている場合:鼻づまりで夜よく眠れない、食欲が落ちて元気がないなど、お子様の生活の質が低下している場合は、早めに相談することをおすすめします。
  • 鼻や口から強い臭いを感じる場合:特に、気になる臭いが続く場合は、一度診てもらうと安心です。

何科を受診すればいい?

お子様の鼻や口臭、副鼻腔炎の可能性がある場合は、耳鼻咽喉科を受診するのが一般的です。耳鼻咽喉科では、鼻の奥の状態を詳しく診てもらうことができます。かかりつけの小児科医にまず相談し、必要に応じて耳鼻咽喉科を紹介してもらうという流れでも大丈夫です。

病院での診察ではどんなことをするの?

お子様が病院に行くことを怖がらないか、どんな検査をするのか不安に感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。一般的な診察の流れを把握しておくと、少しは安心できるかと思います。

問診と視診、簡単な検査

まず、医師は親御さんからお子様の症状について詳しく話を聞きます。いつから、どんな症状が、どのくらい続いているかなど、具体的に伝えられるようにしておくと良いでしょう。

その後、鼻の中を診たり、喉の状態を確認したりします。必要に応じて、副鼻腔の炎症の有無を確認するために、レントゲン検査を行うこともあります。最近では、鼻から細いカメラ(内視鏡)を入れて、より詳しく鼻の奥の状態を確認することもありますが、これはお子様の年齢や状態に合わせて判断されます。

親が医師に伝えるべきこと

  • 具体的な症状:鼻水の色や量、鼻づまりの程度、咳の種類や頻度、発熱の有無、口臭や鼻の臭いなど、気づいたことを詳しく伝えましょう。
  • 症状が出始めた時期と経過:いつから症状が出たのか、悪化・改善のサイクルはあったかなど、時系列で説明できると診断の助けになります。
  • 他の疾患やアレルギーの有無:持病やアレルギーがある場合は、必ず伝えましょう。
  • 現在の服用薬:もし、他に服用している薬があれば、その情報も伝えてください。

お子様の健やかな成長のために、少しでも気になることがあれば、専門家に相談することをためらわないでくださいね。早期に適切な対応をすることで、お子様の不快な症状が和らぎ、元気に過ごせるようになる可能性が高まります。

CHAPTER 04 子供の鼻や口の臭い、いつ病院に行くべき?親ができるサポートとは

お子さんの鼻や口からいつもと違う臭いがすると、「もしかして何か病気かな?」と心配になりますよね。特に、第3章で触れたような副鼻腔炎の可能性も考えると、不安は募るばかりかもしれません。しかし、お子さんの臭いの原因は一つではありませんし、焦りすぎずに冷静に対応することが大切です。ここでは、どのような状況で医療機関を受診すべきか、そして日頃からご家庭でできるケアやサポートについて具体的に見ていきましょう。

こんな症状がある場合は医療機関への相談を検討しましょう

お子さんの鼻や口の臭いが気になる時、すぐに病院に行くべきか迷ってしまうこともあるかと思います。もちろん、少しでも気になることがあれば医療機関に相談することが一番安心です。特に、以下のような症状が見られる場合は、早めに専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。

  • 臭いが数日以上続いている、または悪化している場合:一時的なものではなく、持続的に臭いがする場合は、何らかの原因が考えられます。
  • 鼻水の色が黄色や緑色で粘り気が強い、量が多い場合:これらの色の鼻水は、細菌感染の兆候である可能性があります。
  • 発熱、頭痛、顔の痛み、咳など、他の症状を伴っている場合:特に副鼻腔のあたり(目の下や鼻の横)を痛がるようであれば、副鼻腔炎の可能性も考えられます。
  • お子さんが不快感を訴えている、元気がない、食欲不振など、全身状態に影響が出ている場合:お子さんがつらそうにしている時は、無理をさせずに受診を検討しましょう。
  • 鼻血が頻繁に出る、鼻の中に異物が入っている可能性がある場合:異物が原因で感染を起こしている可能性もゼロではありません。
  • いびきがひどい、睡眠中に呼吸が止まることがある場合:鼻炎や副鼻腔炎によって鼻呼吸が妨げられ、睡眠の質が低下している可能性もあります。

これらの症状はあくまで目安です。お子さんの様子をよく観察し、少しでも「いつもと違う」と感じたら、専門家の意見を聞くことが大切ですよ。

受診するなら何科がいい?

お子さんの鼻や口の臭い、特に副鼻腔炎が疑われる場合、どの科を受診すれば良いのか迷いますよね。基本的には、以下の医療機関が選択肢となります。

  • 耳鼻咽喉科:鼻、のど、耳の専門家ですので、鼻の奥の状態や副鼻腔の炎症について詳しく診てもらうことができます。必要に応じて、より専門的な検査や処置を受けることが可能です。
  • 小児科:お子さんの全身状態を総合的に診てくれます。かかりつけの小児科医に相談し、必要であれば耳鼻咽喉科への紹介をしてもらうのも良いでしょう。他の感染症やアレルギーの可能性も考慮しながら診察してくれます。
  • 小児歯科:口臭が主な症状で、歯磨きなどをしても改善が見られない場合は、虫歯や歯肉炎といったお口の中の問題が原因の可能性もあります。

まずはかかりつけの小児科で相談し、症状に応じて適切な専門医を紹介してもらうのがスムーズな流れかもしれません。また、インターネットなどで、子供の診察に慣れている先生がいる医療機関を探すのも一つの方法です。

ご家庭でできる日々のケアと予防策

医療機関を受診するにしても、しないにしても、ご家庭でできる日々のケアはとても大切です。お子さんが快適に過ごせるよう、親御さんとしてできることを積極的に取り入れてみましょう。

  • 鼻をかむ習慣をつける:鼻水が出ている時は、優しくしっかりと鼻をかむように促しましょう。まだ自分で上手に鼻をかめない小さなお子さんには、吸引器を使うのも良い方法です。無理に強くかませず、片方ずつゆっくりと行うのがポイントです。
  • 部屋の加湿:空気が乾燥すると鼻や喉の粘膜も乾燥しやすくなります。加湿器を使用したり、濡らしたタオルを干したりして、室内の湿度を適切に保ちましょう。
  • 十分な水分補給:水分をしっかり摂ることで、鼻水や痰が柔らかくなり、排出しやすくなります。
  • 栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠:お子さんの免疫力を高めるためには、規則正しい生活が不可欠です。
  • 丁寧な歯磨き・うがい:口臭対策として、毎食後の歯磨きはもちろん、フロスや舌ブラシ(子供用)を使って、お口の中を清潔に保つことを心がけましょう。うがいも喉の乾燥を防ぎ、細菌の繁殖を抑えるのに役立ちます。
  • アレルギー対策:ハウスダストやダニ、花粉など、アレルギーが鼻炎や副鼻腔炎の原因となることもあります。こまめな掃除や換気、空気清浄機の活用などで、アレルゲンを減らす工夫をしましょう。
  • ストレス軽減:お子さんのストレスは、体の様々な不調につながることがあります。安心して過ごせる環境を整え、心のケアも大切にしてください。
  • 症状の記録:受診する際は、いつから、どのような臭いがあるのか、他の症状はどうか、家庭でどのようなケアをしたかなどをメモしておくと、医師への説明がスムーズになります。

これらのケアは、症状の緩和だけでなく、予防にもつながります。お子さんの日々の健康をサポートするためにも、ぜひ実践してみてくださいね。

CHAPTER 05 お子さんの鼻の臭いや口臭、一人で悩まず一緒に乗り越えましょう

お子さんの鼻の臭いや口臭は、親御さんにとって非常に心配なことだと思います。これまで、さまざまな原因や医療機関を受診する目安についてお話ししてきました。この章では、ご家庭でできる具体的なケア方法や、不安な気持ちを抱えている親御さんへお伝えしたいことをまとめさせていただきます。お子さんの健やかな成長をサポートするために、一緒に前向きに取り組んでいきましょう。

お家でできる!お子さんの鼻と口のケア習慣

毎日のちょっとした心がけが、お子さんの鼻や口の健康維持に繋がります。無理なく続けられる範囲で、取り入れてみてくださいね。

  • 鼻の清潔を保つケア: 鼻の不快な臭いが気になる場合、鼻腔内の汚れや乾燥が関係していることもあります。お子さんの年齢や状態に応じて、適切な方法で鼻のケアをしてみましょう。
    • 鼻うがい: 鼻をかむのが苦手なお子さんや、鼻水が多い時期には、鼻うがいがおすすめです。生理食塩水を使った専用の鼻うがいキットなどが市販されていますが、必ずお子さん向けに作られたものを選び、正しい使い方を医師や薬剤師に相談して確認してください。無理強いせず、お子さんが嫌がらない範囲で行うことが大切です。鼻の中が潤い、粘膜の健康維持をサポートすることが期待できます。
    • 蒸しタオルや加湿器の活用: 鼻腔内の乾燥は粘膜の働きを妨げることがあります。温かい蒸しタオルを鼻にあてたり、お部屋の加湿を心がけたりすることで、鼻の粘膜を潤す手助けになるかもしれません。
  • 丁寧な口腔ケアで口内環境を整える: 口臭の原因の多くは口の中にあります。日頃から丁寧な口腔ケアを心がけましょう。
    • 正しい歯磨き習慣: 食後はもちろん、就寝前には特に丁寧に歯磨きをするよう習慣づけましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを年齢に応じて取り入れるのも良いでしょう。歯垢や食べかすをしっかり除去することが大切です。
    • 舌のケア: 舌の表面に付着する「舌苔(ぜったい)」も口臭の原因の一つになることがあります。やわらかい舌ブラシやガーゼで優しく拭うなど、舌のケアも取り入れてみてください。ただし、やりすぎは舌を傷つける可能性があるので注意が必要です。
    • 水分補給の徹底: 口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなり、口臭につながることがあります。こまめに水分補給を促し、口の中を潤すことを意識しましょう。
  • 規則正しい生活とバランスの取れた食事: 全身の健康状態は、鼻や口の健康にも大きく影響します。十分な睡眠、適度な運動、そして野菜や果物も含むバランスの取れた食事は、お子さんの免疫力をサポートし、健康な体づくりにつながります。
  • 室内環境の整備: アレルギー性鼻炎など、アレルギーが鼻のトラブルを引き起こしている場合もあります。お部屋をこまめに換気し、ハウスダストやダニなどのアレルゲンを減らすための清掃を心がけましょう。空気清浄機や加湿器の活用も有効な場合があります。

気になる症状を見逃さないで!適切なタイミングでの医療機関受診を

ご家庭でのケアも大切ですが、やはり一番重要なのは、お子さんの症状をきちんと見極め、必要に応じて医療機関を受診することです。

  • 症状の変化に注意する: もし、鼻の臭いや口臭が改善しない、またはさらに悪化するようであれば、再度医療機関を受診することをご検討ください。熱が出たり、鼻水の色や量、状態に変化があったり、咳が続くなど、他の症状が加わった場合も速やかに相談しましょう。
  • 専門家との連携を大切に: 耳鼻咽喉科、小児科、歯科など、お子さんの症状に応じて適切な専門医に相談することが大切です。必要であれば、異なる科の医師と連携して診てもらうことも有効です。気になることや不安な点は、遠慮せずに医師や看護師、歯科医師に伝え、お子さんの状態について詳しく相談するようにしてください。
  • 親御さん自身の心と体のケアも忘れずに: お子さんの健康について悩むことは、親御さんにとっても大きなストレスになることがあります。一人で抱え込まず、パートナーや家族、信頼できる友人、地域の相談窓口などを頼ってください。親御さんが心身ともに健康であることも、お子さんにとっては何よりも大切なことです。

お子さんの鼻の臭いや口臭は、様々な要因が絡み合って生じることがあります。焦らず、根気強く、お子さんのペースに合わせて向き合っていくことが大切です。そして何よりも、お子さんの「いつもと違う」サインを見逃さず、愛情を持って寄り添ってあげてください。この記事が、お子さんの健やかな毎日をサポートする一助となれば幸いです。