美容・健康分野の通信販売で、急増しているトラブルとして
「初回500円で買ったら、定期購入が解約できない」
という問題があります(500円はあくまでも例です)。まだ、このようなトラブルにあっていない方のために、具体的にご紹介します。
良くある3つのパターン
- 初回500円で、定期購入と知らなかったが、解約したいのにできない
- 初回500円で、いつでも解約OKと書いてあるのに解約できない
- 初回500円で、3回~4回の定期縛りだったので解約できない
通販企業の考えは「注文しやすく、解約しにくく」
初回500円にすれば、安さにつられて衝動的に買ってもらいやすくなります。しかし、広告費を出している以上、500円で解約されてしまうことは絶対に避けたいという心理があります。よって、解約はいかに難しくするか、阻止するかを通販企業は考えます。その方法が残念ながら次の通りです。業界としてはあまり書かれたくない内容かもしれませんが、安いと思って入ったら出るとき高かったという「ぼったくりバー商法」のようなやり方は良くないとおもいますので、書かせていただきます。
定期購入トラブル最大の原因:解約は電話でのみ
解約は電話だけにすることが、定期購入トラブルの最大の原因です。
初回が500円でも、すぐに解約できる状況であれば、何の問題もないのです。しかし、解約ができない最大の原因は、電話でしか解約を受け付けないことです。注文はネットで簡単にできても、解約は電話だけにする。「面倒」「電話口でしつこい営業されたらいやだ」など心理的なハードルが高いことと、さらに6つの方法を掛け合わせて、解約を阻止しています。
電話と合わせ技で使う6つの手法
1.電話の受付時間に制限をつける
仕事などで日中は忙しいので、夜にインターネットで注文した方は、解約の電話をしたくても日中は電話する時間がありません。多くの受付電話は日中の営業時間のみに制限されています。電話する時間がとれず、解約が遅れてしまいます。
2.いつでも解約OK!でも、電話がつながりにくい
いつでも解約Ok!だから申し込みをした方も多いです。しかし、電話受付時間内でも電話がつながりにくいケースがよくあります。唯一の解約手段の電話がつながらなければ、解約はできません。つながらない電話を10分以上待てる人はあまりいないので、解約したくてもできない状況を作り出すことができます。本来、いつでも解約OK!ならば、解約専用フォームを作れば良いだけです。
3.コールセンターは解約阻止の会話をする
一般的にコールセンターは専門会社に外注しているケースが多いです。その場合、解約阻止の目標数値(解約希望者の●●%は阻止)があり、コールセンターのオペレーターは継続に導くことが求められています。そのため、解約ではなく、お届間隔をあけることなどを電話で提案します。
4.定期縛りにし、違約金を発生させる
電話がつながったとしても、3回や4回などの定期縛りのケースには「解約はできません」と言われることになります。それでも解約するようであれば定価との差額を違約金として請求します。違約金に関する情報はホームページの目立たない場所に記載することが多いです。違約金をもらうこと自体より、違約金の話をすることで、解約を防止することが目的です。
5.定期縛りにし、お申込み確認画面に総額をいれない
そもそも定期購入だと理解せずに、500円だからお試しで購入した、という方も多いです。インターネット注文の場合には、お申込み完了の一つ手前に表示される確認画面で、総額を表示しなくてはいけません。しかし、そこに表示してしまうと注文完了をしない方が増えるため、あえてホームページに記載し、ショッピングカートの確認画面には入れません。500円だけで買えると勘違いしやすい、いや、勘違いさせることを狙っている手法です。
6.アレルギーや病気でも解約させない条件を記載している
最近ではあらかじめ解約条件のページに「アレルギー」「病気」などを事前に検討、医師に相談してから買うように、と記載がある会社も存在します。その場合には購入後にアレルギーや病気を理由に解約はさせないように手を打っています。病気であっても商品を送り続けてくる会社の場合には、解約が困難になりますので、ページの最下部などからリンクされている解約条件をよく読み、購入してください。スマホでみるとよく見えないかもしれませんので、パソコンで確認することをお勧めします。
お客様以外にも悪い影響
コールセンターで働く人
現在、解約防止のノルマがきつく、コールセンターで働く人たちが疲弊しています。500円で気軽に購入したお客様なので、高い金額をそもそも支払うつもりがなかった方も多く、それでも解約防止をしなくてはいけないからです。クレームやお叱りを受けながら心理的に疲弊していきます。求人をしてもなかなかつらいノルマのコールセンターには応募が少なく、また辞めてしまう方も多い状況です。お客様にとっても、コールセンターで働く人にとっても、不幸な状況を生み出しています。
宅配ドライバー
再配達や受け取り拒否が頻発します。不在表が入っていても、受け取りたくないために再配達の連絡をしません。連絡をしなくても自動的にお届けしようとしてくれる宅配ドライバーが何度も家に来ることになり、無駄な労力がかかります。さらに、在宅だった場合には「受け取り拒否」をすることも多くなります。何度も家に行き、やっと在宅だと思ったら受け取り拒否された、という場合にはドライバーは体力だけでなく心理的にも疲れてしまいます。
通販業界全体
安いと思わせて実は高い「ぼったくりバー方式」が蔓延すると、お客様は通販業界全体を信用しなくなります。とくに定期購入への警戒心を強くし、Amazonでしか物は買わない、と言われかねません。顔は見えないけれど、お客様一人一人と向き合っていくのが定期購入の本来のあり方だと思います。
そこで、お客様がもっと定期購入を解約できるための対策法を考えました。
定期購入の解約トラブル5つの対処法
まず最初に。ご存知ないかもしれませんが、インターネット通販にクーリングオフという制度はありません。クーリングオフとは、例えば訪問販売などで向こうから押しかけてきて、契約してしまった場合などに使えるものです。インターネットでの通信販売は、自らホームページを開いて、誰にも指図を受けずに自分の意思で申し込んでいるわけですから、クーリングオフ制度に該当しないわけです。
自発的に購入しているため、クーリングオフは使えず、基本的に自己責任になってしまうため、購入時に気をつけることがもっとも重要です。
- 解約は電話だけか
- 初回だけで解約できるか、定期しばりがあるなら総額はいくらか
- 電話はつながるのか(購入前に電話してみる)
- 違約金はあるのか
- 衝動買いはしない
それでも、定期購入の解約トラブルに巻き込まれた場合のために、いいの製薬が有効だと思う方法をお伝えします。
1.体に合わない、と言おう
解約理由としては「余った」「効果がない」「高い」などがありますが、これらの理由を告げるより強力なセリフは「体に合わない」「体調が悪化した」です。その場合には通販会社の責任になってしまうかもしれないので、解約がスムーズになりがちです。
2.消費者庁に相談する、と言おう
体に合わない、といっても解約してくれないのであれば、消費者庁に連絡する旨を伝えましょう。消費生活センターや国民生活センターと言ってもいいです。
消費者庁HP:被害にあったらー消費生活相談窓口
(リンク)https://www.caa.go.jp/consumers/damage/
消費者安全法38条1項(=381):で社名が公表される
(リンク)通販新聞 消費者安全法
解約できない場合には、どんどん消費者庁に電話しましょう。電話の件数が多いほど、また悪質なほど、社名を公表してもらえるようです。消費者ホットライン「188(いやや)」は市外局番はないので、このまま188と電話すればOKです。通話料は無料ではありません。
消費者ホットライン「188(いやや)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
各都道府県に通報や相談もできます(例)
東京都 | 悪質事業者通報サイト |
神奈川県 | 県への申出、情報提供(通報)について |
大阪府 | 消費生活相談窓口の紹介 |
福岡県 | 福岡県消費生活センター |
3.消費者団体訴訟制度を利用する、と言おう
弁護士に依頼できればいいのですが、何十万円もする高額商品であれば費用が支払えますが、健康食品や化粧品の場合には弁護士費用の方が高くなってしまうこともあります。そんなときには、こちらを思い出してください。日本各地に消費者に代わって、通販会社に是正を申し入れたり、裁判までしてくれる団体があります。それを「適格消費者団体」と呼びます。通販の業界新聞を見ていると、これら適格消費者団体が、通販会社にしつこく是正を申し入れて協議に持ち込んでいることが分かります。何度も是正を申し込むことで、通販会社も改善していきます。適格消費者団体に目を付けられると面倒なので、通販会社は自己保身のため解約に応じてくれるかもしれません。
政府広報オンラインHP:不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったら「消費者団体訴訟制度」の活用を!
(リンク)https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201401/3.html
4.景表法違反の措置命令で課徴金を支払うことになるよ、と言おう
さらに強力なセリフもあります。解約がしにくい、という分野は景表法違反の可能性があります。景表法違反の場合で、措置命令まで進んだ場合には、違反している期間の売り上げの3%を罰金として支払うことになります。これはかなり重いので、通販会社にとってリスクが高いことになります。
- 景表法違反
- 措置命令
- 課徴金
この3つのキーワードはとても専門的なので、通販会社にとっては効果があるでしょう。具体的に通報する専用フォームも公開されています。
消費者庁HP:景品表示法違反被疑情報提供フォーム
(リンク)https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/contact/disobey_form/
5.薬機法に違反してるよ、と言おう
これは実際には効果があまりないかもしれません。薬機法では「サプリメントなど医薬品以外で、病気が治ると言ったらアウト」というルールなのですが、通販会社は自社のホームページでそのような「治る」という表現はしていないはずです。自社以外のホームページで「治る」と書かせて、自社のホームページでは「治る」とは書かずに注文だけさせる方式だからです。これが薬機法をすり抜ける一つの手法です。ちなみに薬事法という名前は今はなく、薬機法(やっきほう)と言います。
具体例:口臭サプリメントは食品なので口臭が治るとは言えない場合
- 自社以外の外部のホームページで「口臭が治る!」「口臭が消える!」「口臭がゼロに!」と自発的に書いてもらう。
- 自社のホームページでは「息スッキリ!」としか書かずに注文してもらう。
・息=口臭ではない。単なる息だから病気を意味していない。
・スッキリ!=治るではない。気分がスッキリしているだけだから。
この場合には、外部のホームページが勝手に治ると書いているだけなので、通販会社は法律に違反していないことになります。それでも、万が一自社のホームページで「病気が治る!」などと書かれている場合には、厚生労働省のホームページ経由から連絡しましょう。
厚生労働省HP:医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください
(リンク)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp131111-01_1.html
※念のため:弊社での解約に関しては電話、フォーム、メールでもOKにしています。ルブレン定期コースは1回につき3本セット(3か月分)で届きますので、1回で休止・解約は自由です。
最後に
今後もますますインターネットの通信販売が伸びていきますが、同時にトラブルに巻き込まれるお客様も増えます。今後の健全な業界の発展とお客様の幸せのためにコラムを書きました。今後も続けていく予定です。
(文責:飯野貴行)
内容にお問い合せがある方、もっとこんな有効な方法があるよ!という方はフォームからご連絡下さい。
(株)いいの製薬 代表取締役。歯を磨いても口臭がして、思いっきり笑顔で会話できない。そんなお悩みの方に、日本初の<喉口臭®>を提唱して商品をお届けしています。喉口臭®とは、舌ブラシでは磨けない口の奥の汚れが口臭の原因になっている、あたかも喉から臭う口臭のことです。お口の浄化と口臭の予防ができる「ルブレン」や、口臭自体を除去する元医薬品の「ルブレンナイト」をお届けします。(日本口臭学会正会員|未病産業研究会会員)